毎日おしりを隠し撮りしていたことを上司に告白した日
先々月つくった記事、上司があまりにも半ケツなので、おしりを撮影し続けてみた一週間(2/16~2/23)が、DPZさん・オモコロさん主催の日本おもしろ記事大賞でまんしゅうきつこ賞を受賞しました。
DPZさん・オモコロさん・まんしゅうきつこさん、読んでいただいた皆さん、本当にありがとうございました!
そしてもう一人、感謝しなければならない人がいます。おしりのモデルとなったAさんです。
3/22(火)に、受賞の発表を職場で見た私は、大喜びで同僚や上司に受賞を報告しました。多くの人に祝福を受けたのですが、その場にAさんはいませんでした。
Aさんはたまたま外出していただけなのですが、そのことに私は安堵を覚えたのです。それはAさんにこの記事の存在をどう切り出すべきか迷っていたから。
”上司のおしりを隠し撮りしてインターネットで発表する”という行為は決して胸を張って宣言できるような善行ではない、という罪悪感。そして、このままAさんの与り知らぬところで、おしりだけがネット上で一人歩きしていた方が面白いんじゃないか、というイタズラ心。
まんしゅうきつこ賞
— デイリーポータルZ編集部 (@dailyportalz) 2016年3月29日
上司があまりにも半ケツなので、おしりを撮影し続けてみた一週間 https://t.co/dHkzKTOFfX
作:大しまみこと
※リンク間違いのため再掲です。失礼しました! pic.twitter.com/No2prIlMsr
しかし、それよりも大きかったのが、”怒られてもいいから、自分のおしりがネットで晒されていることを知った瞬間、驚きのあまりこぼれ出たAさんのおしりを撮影したい”という気持ちでした。
その気持ちの強さと、受賞を祝ってくれた職場の人たちの後押しもあり、私は4/1の入社式兼3月の振り返りをする集会でAさんに毎日おしりを隠し撮りしていたこと、受賞したことを発表することにしたのです。
4/1(金)
今日がAさんにおしりについて告白する日。不安と心配が拭えず、新入社員に向けての「入ったばかりで不安だと思うけれど、たぶん大丈夫だと思います」という旨のスピーチも、 まるで自分に向けて話しているような感覚です。
プログラムは進み、とうとうおしりについて発表される時。
スクリーンに映し出されるAさんのおしり。このおしり画像は、きっとこの3日間で、もっともシェアされたおしりのはずです。
まだ無反応のAさん。自分のおしりだと判別できない様子。
毎日Aさんのおしりが出ていることに気づいたので、一週間おしりを撮影し続け、ブログに書き、コンテストに応募したら受賞したことを説明し、プロジェクターに記事を映し出しました。
「マジで?マジで?ええええええ!!マジで?」
「おれのケツ?そんなに出てる?マジで?エイプリルフールでしょ?」
「マジかーーーーーー!!」
「ほんとにおれのケツじゃん!!!」
「おれのケツだ!!!!」
Aさんはプロジェクターに映し出される、数々の自分のおしりを見て、驚き、大興奮しています。
勝手に撮影し、応募したことを謝り、Aさんのおしりがとてもキレイなおしりであったことや、たくさんのベストショットを提供してくれたことを心の底から感謝していると伝えました。
「大しま!おめでとう!!」
Aさんは全く怒ることなく、祝福してくれました。多かれ少なかれ、怒られることを覚悟していた私はとても驚きましたが、Aさんの声の明るさや、顔いっぱいの笑顔から、心から祝福してくれていることがわかり、3日間の心配は全て吹き飛びました。
心の広すぎるAさんに尊敬の念を抱きます。
Aさん、本当にありがとうございました!!!
この報告をした数時間後。
Aさんはいつものように卓球をやっていました。
出てない。
いくら動いても出ない。
あの記事の存在をAさんに伝えるのは、Aさんに「おしり、出てますよ」と伝えるのと同じこと。
Aさんはおしりに気をつけるようになってしまったのでしょう。
あんなに卓球に熱中しているのに、おしりの出ないAさんを写真におさめながら、私はなにか魔法が解けてしまったような気持ちになりました。
もう、Aさんのはみ出したおしりをそっと撮影し、声を殺して爆笑することができない。とても寂しいですが、Aさんにとってはその方が良いのです。
Aさんが私の受賞を喜んでくれたように、私もAさんのおしりが出なくなったことを喜びたいと思います。
さらに数時間後。
新年度から忙しいAさんは、社長と話し合っていました。
おしり is back!!
お付き合いいただき、ありがとうございました。
上司があまりにも半ケツなので、おしりを撮影し続けてみた一週間(2/16~2/23)
この日、私は本能的にシャッターを切りました。
勤務先のオフィスでたまたまカメラを持っていた時に目に飛び込んできたのが
会議室で社長と真剣に話し合う、Aさんのおしりです。
入社当時から、上司であるAさんの半ケツ状態はよく目撃していました。そのため社内では別段珍しい光景でもありません。
Aさん自身も頻繁に半ケツになっていることには気づいているようで、飲み会の時に「ベルトとかしないっしょ?」と周りの社員に問いかけているところも見たことがあります。(誰も同意しておらず、みんなベルトをしているのを見てAさんは驚いた様子でした。)
そんな何気ない日常風景であるAさんのおしりを写真に収めてみると、急にAさんのおしりが異質なオーラを放っているように見え、「会社でおしりが出ている人なんて、もしかしたらとても稀有な存在なのかもしれない」という思いがよぎったのです。
Aさんのおしりを初めて撮影したこの2016年2月16日から一週間、私はAさんのおしりを撮り続けてみようと決めました。
2月17日(水)
今日もAさんはミーティングをしています。Aさんはディレクター職で、多くの案件に関わる大変忙しい人なのです。
もちろん、おしりは出ています。パンツの赤と椅子の赤が合わさった奥に見えるおしり。今日から、このおしりを余すところなく撮り尽くしてやろうと思います。
夜になって、仕事の息抜きに卓球を始めたAさん。角度によっては見えてるんだろうなと思いながらも、なかなかお目見えしないおしりにもどかしさを感じながらシャッターを切りました。
Aさんがボールをこぼしました!見えるか?
見えた!!まぎれもなくおしりです。ナイスプレー!!
初めて立ち上がった赤ちゃんのような姿勢が大変プリティ。Aさんは朝も昼も夜も深夜も仕事をしているので、直属の部下には怖い・厳しいと恐れられているようですが、私はとても無垢でかわいらしい人だと思います。
本当に怖い人だったらこんなに無邪気におしりを出しません。
2月18日(木)
今日もAさんは社長と打ち合わせ。足の角度がおかしなことになっているソファに座っています。
ペットボトルとマグカップの隙間に見える肌色
お馴染みのおしりです。撮影を開始してから3日、Aさんのおしりは毎日多彩な表情を見せてくれます。
体勢を変えたAさんのおしり。ここまで深部まで撮影できたのは初めてだったため、私は少し怖気付いてしまいました。Aさんのおしりはどこまで出てしまうのだろう。
もっと出ろ!という気持ちと、もうこれ以上出てくれるな、という複雑な感情を抱えながら、観察を続けます。
2月19日(金)
昨日の奔放さに対して、今日のAさんはTシャツをがっつりパンツの中にまでインし、ガードが固いです。
しかし、目を離した隙にこの半ケツ具合。撮影活動を始めた3日前には、さすがにおしりが出ない日だってあるだろうと見くびっていましたが、Aさんは毎日安定したおしりの供給を続けてくれます。
2/22(月)
普段は黒や紺のトップスを着ていることの多いAさんが、今日はボーダーを着ています。しかし、そんなことはどうでも良く、気になるのはチラリと覗くボーダーの下の肌色。
おしり。あまりにもおしりです。
作り込まれることのない、正直で自然なおしりのために、さりげない撮影を心がけているのですが、思わず声が漏れそうになりました。
普段は「腰」の延長線上にほんのり盛り上がり始めた「おしりの序章」が顔を出す程度なのですが、今日は「腰」などという生ぬるいものは一切カットし、純度100%の「おしり」です。
こんなに高純度のおしりは初めてで、私は「私がおしりを見ている」のではなく「おしりが私を見ているのでは」という感覚を覚えました。
「おしりを覗くとき、おしりもまたこちらを覗いているのだ」
Aさんのおしりは、確実に私にそう語りかけました。
2/23(火)
見慣れたおしりが会議スペースから飛び出しています。もちろんAさんです。
毎日撮影しているAさんのおしりに、傷があることを発見しました。やんちゃだった頃の傷なのか、それとも最近ついた傷なのか。
職場で週5で顔を合わせ、1日平均8時間は同じ空間で「仕事仲間」として過ごしているAさん。
それだけ長く共に過ごしているのに、私はAさんについて、おしりがよく出ていること、大変仕事熱心なこと、若いのにしっかり家庭を作って、家と車まで持っていること、くらいしか知らないのです。
友達と違い、仕事仲間は「気があうか、気が合わないか」では選べません。
しかし、一緒に働くことで同じ課題を共有し、信頼しあう必要がある仕事仲間という関係は、他では得られないタイプの刺激を生活にもたらしてくれます。
一週間Aさんのおしりを撮り続けて、そんなことを感じましたが、どうでもいいのです。この「零れ出た」という趣きのAさんのおしりの丸みが伝わるでしょうか?
会社という固いイメージの場所で、おしりが出ていたら写真に収めたくなる。誰かに伝えたくなる。人間の本能です。
最後に、Aさんのおしり・ベストショットをもってこの記録を終わります。
お付き合いいただき、誠にありがとうございました!
4/2追記
この記事が日本おもしろ記事大賞でまんしゅうきつこ賞を受賞いたしました。審査員のみなさん、読んでくれたみなさん、ありがとうございました。
それにあたって、Aさんにこの記事の存在を伝えた時の後日談がこちらです。
よかったら読んでください。